開業医・医師の相続対策


「クリニックと家族に、いちばん負担の少ないかたちで遺したい」——そのための準備を、早いうちから。

開業医の相続は、一般のご家庭の相続とは大きく異なります。しかも、個人開業(個人事業)か、医療法人かによって、使える制度も対策もまったく変わります。 まずはこの二つに分けて考えることが出発点です。弊社は、相続税の実務と医療法人の行政手続きの双方を、窓口ひとつで対応できます。


① 個人クリニックの先生の相続のご相談

個人開業の場合、相続の中心は「事業用資産(診療所の土地・建物・医療機器など)を、いかに負担少なく後継者へ遺すか」です。

 

個人版事業承継税制(納税猶予)

後継者が事業を引き継ぐことを条件に、事業用の宅地・建物・一定の減価償却資産(医療機器等)にかかる贈与税・相続税の納税を猶予・免除する制度です。適用には事前に「個人事業承継計画」を都道府県へ提出する必要があり、提出期限は令和10年(2028年)9月30日まで延長されました(令和8年度税制改正)。ただし贈与・相続の実行期限は令和10年(2028年)12月31日までで変わっていないため、計画から実行までの猶予は短く、早めの準備が重要です。なお、後継者が診療を続ける(医師である)ことが前提になります。

 

小規模宅地等の特例

診療所の敷地について、一定要件のもと評価額を減額できます(特定事業用宅地等。租税特別措置法第69条の4)。上記の個人版事業承継税制とは、同じ宅地について選択適用(併用不可)となるため、どちらが有利かの試算が欠かせません。

 

準確定申告と生命保険

相続開始後は、所得税の準確定申告を相続開始を知った日の翌日から4か月以内に行う必要があります(所得税法第124条・第125条)。また、生命保険の非課税枠(500万円 × 法定相続人数)の活用も有効です。


② 医療法人の先生の相続のご相談

医療法人の場合、最大の論点は「出資持分」です。

出資持分の評価

「持分あり医療法人」の出資持分は、取引相場のない株式に準じて評価されます(財産評価基本通達)。利益を内部に蓄積してきた法人ほど評価額が高額になり、後継者に想定外の相続税が生じることがあります。他の出資者からの払戻し請求リスクもあります。

持分あり → 持分なしへの移行(認定医療法人制度)

有力な対策が、認定医療法人制度を使った「持分なし医療法人」への移行です。移行に伴う医療法人へのみなし贈与税(相続税法第66条第4項)が非課税となり、出資持分にまつわる相続リスクを解消できます。認定申請の期限は令和11年(2029年)12月31日までです(令和8年度税制改正で3年延長)。

 


承継のかたち別に考える(個人・法人共通)


親族内承継(お子さまなどが継ぐ場合)

理事長交代・出資持分(または事業用資産)の承継を、相続税・贈与税の負担を見ながら計画的に進めます。生前からの段階的な対策が効果的です。

第三者承継(継ぐ方がいない場合)

医療法人の事業譲渡・合併、個人診療所の事業譲渡により、地域の医療を残す道があります。譲渡価額の評価や行政手続きを含めて支援します。

 

閉院

診療所廃止の届出、患者情報や医療機器の扱い、従業員対応など、閉院にも段取りが必要です。円満な幕引きまで伴走します。

弊社は、これまで複数の先生の医業承継・第三者承継を、それぞれのご事情に配慮しながら支援してきました。


あさの会計だからできること

税務(相続税)と行政書士業務(医療法人の各種手続き)を窓口ひとつで対応。代表は神戸市医師会で医業承継問題の検討に外部委員として携わり、医療法人制度と承継の実務に精通しています。スタッフに看護師が在籍し、日本ファミリービジネスアドバイザー協会の知見をもとに、親子・きょうだい間の想いの調整(合意形成)まで含めて伴走できることが、相続特化事務所とは異なる強みです。


まずは無料相談から

「まだ具体的なことは決まっていない」段階でも構いません。個人開業か医療法人かによって取りうる選択肢は変わります。現状を一度ご一緒に整理し、分かりやすくお伝えします。原則3時間以内にご返信します。

メモ: * は入力必須項目です


よくあるご質問(相続)


Q. 開業医の相続は、一般の相続と何が違うのですか?

まず、個人開業か医療法人かで対策が大きく分かれる点が特徴です。個人開業では事業用資産(診療所の土地・建物・医療機器)の承継が中心で、医療法人では出資持分の評価と承継が最大の論点になります。いずれも医療特有の制度が絡むため、早めの対策が重要です。

Q. 個人クリニックです。事業用資産の相続に使える制度はありますか?

後継者が事業を引き継ぐことを条件に、事業用の宅地・建物・医療機器などの贈与税・相続税の納税を猶予する「個人版事業承継税制」を使える場合があります。事前に個人事業承継計画の提出が必要で、提出期限は令和10年(2028年)9月30日まで、贈与・相続の実行期限は令和10年12月31日までです。診療所敷地の小規模宅地等の特例(租税特別措置法第69条の4)とは選択適用のため、有利判定の試算を行います。

Q. 医療法人の出資持分に、事業承継税制(納税猶予)は使えますか?

使えません。法人版事業承継税制(非上場株式等の納税猶予)の対象は株式会社等の株式で、医療法人の出資持分は対象外です。医療法人では、認定医療法人制度による「持分なし医療法人」への移行が中心的な選択肢になります。

Q. 持分あり医療法人です。子に多額の相続税がかかると聞きました。対策はありますか?

出資持分は取引相場のない株式に準じて評価され(財産評価基本通達)、内部留保が厚いほど評価額が上がります。認定医療法人制度を使った「持分なし」への移行(相続税法第66条第4項のみなし贈与が非課税に。認定申請期限は令和11年12月31日)、計画的な生前贈与、役員退職金の活用などを組み合わせて対策します。

Q. 後継者がいない場合、クリニックはどうすればよいですか?

第三者への事業譲渡・医療法人の合併、または閉院という選択肢があります。第三者承継では譲渡価額の評価や行政手続き、閉院では診療所廃止届や患者情報・医療機器の扱いなどの段取りが必要です。弊社は複数の先生の承継・閉院を支援してきました。

Q. 相続が発生しました。まず何をすればよいですか?

個人開設の診療所の場合、所得税の準確定申告を相続開始を知った日の翌日から4か月以内に行う必要があります(所得税法第124条・第125条)。相続税の申告・納付は10か月以内です。あわせて診療所の廃止・承継の届出など医療特有の手続きも並行します。まずはお早めにご相談ください。